しゅりんくっ! ぷれいーどっぐくん、パリからおはよう!
posted at 15:02:48
posted at 15:02:48
「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! ただ今、パリ滞在中にて、いつもの時間と違いますが、ご容赦。今日は、私の「古典落語」、おなじみな人にはおなじみなネタですが、お話するたびに少しずつ視点が変わり、新しい何かが付け加わります。
posted at 15:33:48
posted at 15:33:48
タジ(1)小学校5年生の時に、島村くんがプロレス行こうぜ、と誘った。越谷市民体育館の前で待っていると、猪木や他の日本人レスラーがどんどん入ってくる。手を上げたり、笑ったり、握手をしたり。ところが、突然島村くんが緊張し始めた。
posted at 15:34:59
posted at 15:34:59
タジ(2)「茂木、いいか、タイガー・ジェット・シンだけは、マジだから、入っていく時に絶対に目を合わせちゃだめだぞ。目が合って、サーベルで殴られて、怪我をしたファンもいるんだからさ!」島村は、お前わかったか、という感じの、ドスの利いた声でそう言った。
posted at 15:36:07
posted at 15:36:07
タジ(3)ついに、車が停まって、タイガー・ジェット・シンその人が歩いてきた。ターバンを巻いて、サーベルを持ち、狂った虎になっている。ぼくは、絶対に目を合わせないように身体を硬くして、視野の端の方で見た。ふしぎだけど、「銃刀法」上はどうなっていたのか。
posted at 15:38:30
posted at 15:38:30
タジ(4)試合が始まる。猪木が花束をもらっているその時に、もうタイガー・ジェット・シンが乱入。いきなり、サーベルで猪木をなぐった。場内大興奮。場外乱闘になって、パイプ椅子がなぎ倒された。みんなが、わあわあ言いながら逃げ惑い、越谷市民体育館は興奮の渦と化した!
posted at 15:40:25
posted at 15:40:25
タジ(5)タイガー・ジェット・シンと猪木が椅子をなぎ倒して動くたびに、サーチライトがさっと追う。アナウンサーが、「お気をつけください! お気をつけください!」と煽るようにいうのがもう大興奮で、逃げ回りながら生きることそのことを楽しんでいた。忘れられない少年の日。
posted at 15:41:43
posted at 15:41:43
タジ(6)ふしぎなのは、よきところで、ゴングがカン! となって、アナウンサーが何ごともなかったかのように「ただ今試合が始まりました」と言い、リングの上でのファイトになったこと。今までのシンの乱暴狼藉は、あれ、オッケーだったんかい! 反則負けじゃなかったんかい!
posted at 15:43:15
posted at 15:43:15
タジ(7)興奮して見ていた少年の日のプロレス。大人になってから気付いた。タイガー・ジェット・シンは、入ってきた時からトップスピードで、前置きも段取りもなく、いきなりサーベルで殴りかかって「本題」に入る。その「生命哲学」が、人生の大切なメッセージだと心に沁みる。
posted at 15:45:25
posted at 15:45:25
タジ(8)「本日はお日柄もよく」「あ〜なんとか先生は〜」前置き、段取り、根回しが得意の日本のおっさんたち。本題に一向に入らない。タイガー・ジェット・シンのように、開始一秒でいきなりトップスピードに入る。それが生きる上で大切なのだと、少年の日に学んだのだなあ。
posted at 15:46:56
posted at 15:46:56
タジ(9)実際のタイガー・ジェット・シンは、狂える虎などではなく、カナダ在住の成功したビジネスマン。日本で稼いだファイトマネーを使って事業を興した。Tiger Jeet Singhで検索すると、カナダのテレビのドキュメンタリーが出てくるから、見てみてくだされ。
posted at 15:48:31
posted at 15:48:31
以上、「タイガー・ジェット・シン」についての連続ツイートでした。
posted at 15:48:51
posted at 15:48:51
ところで、番外編ですが、日本人がタイガー・ジェット・シンを好きなのは、そこに古来の伝統的な生命観、身体感があるからだと思う。いつ敵が襲ってくるかわからないから、すきをつくってはいけない。段取りや根回し、前置きは要らない。そのことを日本人は本当は知っていたのだと思う。
posted at 15:50:28
posted at 15:50:28
坂本龍馬を、新撰組が襲ったら、いきなりトップスピードで命のやりとりをする勝負になる。だから、タイガー・ジェット・シンのように、花束贈呈を蹴散らしていきなりサーベルでなぐりかかるというのは、本当は日本人がよく知っている生命哲学のはずなのだ。
posted at 15:51:21
posted at 15:51:21
日本は、いつから花束贈呈をしたり、「本日はお日柄もよく」などと花鳥風月なやる気のないおっさんたちの国になったのか。シンポジウムで、偉い人たちが根回し段取りばかりで一向に本題に入らないのを聞いていると、「お前ら、タイガー・ジェット・シンを見習え!」と密かに毒づく私。
posted at 15:52:47
posted at 15:52:47
本日の連続ツイート、タイガー・ジェット・シンについての補足でした。花束贈呈、「本日はお日柄もよく〜」の段取りおっさんたちは無視して(だから記者クラブなんかつくるんだよ)、開始一秒からいきなりトップスピードの日常を生きましょう。
posted at 15:54:12
posted at 15:54:12
0 件のコメント:
コメントを投稿