2011-10-11

茂木健一郎 connecting the dots について

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 今朝は、創造性の秘密について!
posted at 10:02:47
てと(1)スティーヴ・ジョブズ氏の、今や伝説となったスタンフォード大学卒業式のスピーチにおいて、ジョブズ氏は創造性の秘密について、重大なことを言われている。すなわち、「点と点を結ぶこと」(connecting the dots)について。
posted at 10:03:58
てと(2)ジョブズ氏は、養父母が豊かではなかったがために、学費の高かった大学を中退した。そのあともふらふらして、授業をいくつか取っていた。そのうちの一つに、「カリグラフィー」(西洋で、書道に当たるもの。ただし、ペンを使う)があった。
posted at 10:05:32
てと(3)文字を美しく書くことが、コンピュータの開発と結びつくとは、普通は思わない。しかし、ジョブズ氏がカリグラフィーを履修したことが、後に、マッキントッシュにおいて、さまざまな美しいフォントを整備したり、文字の間のスペースを調整できたりといった特長へとつながっていった。
posted at 10:06:41
てと(4)「点と点を結ぶ」ということは、あらかじめ予定できることではなく、後付けでしかわからない。人間は賢くなると、論理で予想できたり、整合性がとれる中で活動しようとするが、それでは、世界を変えるような斬新な「点と点を結ぶ」飛躍へとはつながらない。
posted at 10:07:58
てと(5)「ハングリーであれ、愚かであれ」(Stay hungry stay foolish)という言葉で結ばれたスタンフォード大学スピーチ。「愚かであれ」は、結ばれるべき「点」と「点」は、後でしかわからないのだから、好奇心に従ってさまざまなことを経験しよう、ということ。
posted at 10:10:10
てと(6)普通、一人のひとが経験しないような「点」と「点」を持っている人が、常識では思いつかない「創造性」を発揮できる。そのためには、好奇心にあふれていて、おっちょこちょいで、やたらと動き回る、そんな人になるしかない。世界の中に散らばっている「点」の間を疾走するのだ。
posted at 10:11:25
てと(7)「点」と「点」を結びつけることは、別の言い方をすれば、「過去」を育てること。自分がかつて経験したことの中には、今の自分に役に立つ原石、道具がきっとある。だから、時々人生を振り返って、過去に栄養を与え、育てていくことが創造性へとつながっていく。
posted at 10:12:46
てと(8)私に関して言えば、小さなことだけど、講演などの時、子どもの頃祖父や父に連れられて寄席に通った経験がとても役に立っている。落語家の方の間の取り方や、漫才師の方の場の掴み方とか。役に立つなんて、思ってなかった。気付いたのは、ずっとあとのことだった。
posted at 10:14:05
てと(9)教育が、即戦力だとか、社会への適応など、短絡的な効用で語られがちな昨今、ジョブズ氏の「点と点を結ぶ」は大切なメッセージ。何の役に立つかわからないからこそ、教育は意味がある。すぐに役立つ教育は、創造性から遠い。結びつけるべき「点」と「点」がそこにはないから。
posted at 10:15:50
以上、「結ぶべき点と点は後からしかわからないのだから、とにかく好奇心に従っていろいろやってみるのが良い」ことについての連続ツイートでした。
posted at 10:16:48

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