2008-05-11

日本人と英語

日本人と英語, 斎藤兆史 を読む

この本から読み取った拙者にとって重要な情報は以下の通り

・昭和時代前期の英語
 英語存廃論
 実用的な英語力が普通教育によっては身につかないという事実
 教育によって日本人が一様に英語が使えるようになるはずだとの間違った認識
 パーマーの英語教育理念
 戦争に突入して「敵性語」から「敵国語」になった

・昭和後期の英語
 30年代: 宿命的な問題---いくら学校で英語を習ってもさっぱり使い物にならない
 フリーズの「オーラルアプローチ」と「パタン・プラクティクス」という教授法が大ブームとなる
 昭和40年代後半~50年代に持ち込まれた、日本の英語教育史上最大の薬害「コミュニカティブ アプローチ」---ギリシア神話のキマイラのような怪物
 昭和49年 英語教育大論争 参議院議員 平泉渉vs 上智大学教授 渡部昇一

 コミュニケーションのためには文法は重要ではない、は完全な誤り。文法を習得してこそはじめて高度なコミュニケーションが図れるようになる

・平成の英語
 「コミュニケーション」がついに語学行政のお墨付きを得る
 文部省が外国語(≒英語)の学習指導要領にオーラル・コミュニケーション重視の方針を盛り込んだ
 英語第二公用語論

 基礎的な文法・語法中心の授業を行い、あとは各自ご努力くださいというのがもっとも妥当なところ

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三羽の結論
 大学入試センター試験のリスニングテストは、間違ったコミュニケーション重視の教育方針の具現化であるから即刻止めるべきである

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