2011-01-02

数学は言葉

東京言語研究所 公開講座に参加しました。
講師:  新井紀子 国立情報学研究所
2010年6月5日

『数学は言葉』

新井先生の専門は証明論

数学基礎論(mathematical logic)と呼ばれるものの中に集合論、モデル論、帰納的関数論(アルゴリズム)、証明論がある。

※いきなりこの話で言語専門の文系の人は度肝を抜かれたでしょう

自動証明、人工知能も研究していた。

数の起源
旧約聖書 ダビデ王はイスラエルの民の人口を数えようとした。→神の罰が下る。
なぜか息子のソロモン王は人口を数えたがノーペナルティ。

古代バビロニアの√2 の計算方法
(省略)

バビロニアの円周率の近似 22/7 (分数:7ぶんの22)

紀元前1800年 リンド・パピルス 87の問題と解法
例:6個のパンを7人で分けるには?

B.C.800
タレス 万物は水で出来ている
哲学の祖と言われている。

論理は頭に埋まっているが、論理表現(人工言語)は埋まっていない。
人工言語を作るにはコストがかかる。(前半2000年は論理表現がなかった)

たまたま見たテレビの話
アマゾンの奥地の風習を紹介していた。出産のとき、女一人で森へ入って行き出産する。嬰児が人間ならば母親と一緒に帰ってくる。聖霊であれば天に帰る。

インタビューを受けた長老の言葉の論理に驚く
「母親は一人で帰ってきた。生まれた子供は聖霊だったのだろう。」

こんな未開の地の人が論理学でいう対偶をとって話したことは、もともと人類の頭には論理が埋め込まれているのだと実感させた。

「対偶とっちゃったよ!この人。」
と思われたそうです。

B.C.300
ユークリッド原論による「証明」の確立
驚くべきことに2300年前の本だがほぼ直訳で読める。

第1章 第1節
・点とは部分を持たないものである
・線とは幅のない長さである

20番目の定理
三角形の一辺は他の二辺の和より短い

当たり前に思えることも証明している。

数字の表し方
ローマ数字 Ⅻ、Ⅳ
7世紀 位取り記数法の発明(インド)

よく脳の働きなどを科学で解明するとか言うが解明されない。
科学で解明する=数学で解明する
ということだが数学で使えるのは微分方程式と統計しかない。

数式の萌芽は15世紀
ヴィエタ、デカルトによる数式の確立

画期的なことは、形式(表現)が意味に先立って書けてしまうこと。
ニュートン、ライプニッツによる微積分の発見
ワイエル・シュトラウスによるε-δ論法

カルダノ 二乗してマイナスになる数

数学は見えないものを見るための言語
匿名性の高い言語。今流行りの言葉でいうとオープンソース。

ゲーデルが、人間が証明するとは何かを記述してしまった。
証明できない命題が存在するー不完全性定理

チューリング
人間が計算するとは何かを記述した。チューリングマシン

脳に備わっている2つの機能
・演繹的に考える 論理
・帰納的に考える パターン認識

主婦は理系
(なぜかは忘れました)

数学の言葉には時制がない
あえていえば永遠の現在

男女差について
小学生のとき
女子のほうが成長も早く記憶力があるので算数もまる覚えで対応する傾向がある。あまりにもうまくいくのでそうしがちだが高度な内容になってくると行き詰まる。

最後に、数学は言語という場合の構成要素は何ですか?という質問をしました。
誠に恐縮ながら『数学は言葉』を読んでいただくのが良いとのこと。その場でも概要は答えていただきました。直後にアマゾンで買いました。

この日は人生はじめての、もんじゃ焼きをいただきました。幸せでした。

2 comments:

白うさぎ said...

これは、面白いセミナーですね。
私も「数学は言葉」見てみますね!

今度、数学のセミナーも紹介して下さい。

白うさぎ

三羽四郎二郎 said...

新井先生もほんと素敵なかたでした。
大津先生もいらして司会的な立場でした。本はぜひ読んでみてください。英語のこともちょっと書いてあります。

そういえばリーマン本はまだ読んでいません。(^^ゞ