たぶん一番分かりやすいと評判なのはマーク・ピーターセンです。ちょっとその本がすぐには見つかりそうもないので、TEX加藤さんも参照している伊藤和夫の説明に耳を傾けましょう。
英文法のナビゲーター<上>(伊藤和夫)の説明
仮定法というとみなさんは何を連想する、いやもっと厳密に言うなら、仮定法の定義は何だと考えていますか。「仮定法」なんだから「仮定」をするための形だとか、具体的に言えば「もし...ならば」という意味のifのことだと考えているのでは困るのです。
If it rains tomorrow, I will not go. (明日雨なら私は行かない)
という文は、ifを使った仮定をしていますが、仮定法とは何の関係もありません。逆に I wish I were a bird. (鳥になれたらなあ)は、仮定法の動詞を含む文ですが、そこで表現されているのは、「仮定」ではなくて、「願い事」「願望」です。仮定法というのは、この I wish I のあとに出てくる were や、
If I were a bird, I would fly to you. (鳥だったらあなたの所に飛んでいくのに)
で、If I のあとに出てくる were という、動詞の特別な形につけられた名前だということを、まず確実にアタマに入れて下さい。1人称の主語のあとにwasではなくwereを使うのが特別なのです。この特別な形がどういう所に出てくるか、特別な形を使うことで意味にどういう差が生じてくるかという角度から考えてゆかないと、仮定法の問題はなかなか理解できないのです。
仮定法の動詞が一番多く使われる、少なくとも文法問題として出題されるのは、Ifではじまる節の中です。仮定法とはIfのことという皆さんの誤解もそのかぎりでは当然のことかもしれないのですが。そこで甘えていては進歩がないのも、いま言った通り。
(英文法のナビゲーター<上> p.38)
お次は、英文法の疑問(大津由紀雄)より
Q11 「仮定法」の「法」ってなんですか? 方法のことですか?
回答---「方法」の「法」ではないのです。「法」は英語でmoodと言います。事柄に対する話し手の気持ちとでも考えておけばよいでしょう。「ムードたっぷり」とか言うときの、あの「ムード」と無縁ではありません。
(英文法の疑問 p.90)
Q12 仮定法って、いかめしい文章にしか使われないのではないですか?
回答---それは間違いです。仮定法をちゃんと身につけておかなければ、「もしもピアノが弾けたなら」だなんてことも言えません。それに、仮定法をちゃんと使いこなせると、丁寧な話し方もできるようになるのです。
(英文法の疑問 p.97)
じつは、「仮定法」と訳されている subjunctive mood という文法用語は、「従属節で使われる動詞の形」という意味なのです。
ですから、必ずしも「もし~ならば」と仮定をしているわけではないので、「仮定法」という名前は似合わないことも多いのです。でも、その名前が定着してしまっているので仕方ありません。
ひょっとしたらこんなところにも「仮定法」が嫌われる理由があるのかもしれません。事実、ドイツ語などでは「仮定法」とは呼ばず、「接続法」と呼びます。そのほうが実態に合っていますね、
(英文法の疑問 p.100)
いきなり would have p.p. とか説明されても拒否反応が起きてしまいますからね。そもそも仮定法とはというところが大事だと思います。それが腑に落ちれば形は覚えるだけです。むっちゃえらそうだけど拙者もがんばります。
2 件のコメント:
>腑に落ちれば形は覚えるだけ
そうなんですよね、
形を覚えてもなかなか定着しないのは、
まだ腑に落ちてないのかも?
FORESTを買いましたが、他の先生方の本も読んでみたくなりました。やはり人によって説明の仕方が違うので、私が“ビビビっ”とくるものに会えるかも知れないし。
図書館行ってみてみようかな。。
今回の記事、ありがとうございます。
”仮定法”って名前が悪いけど今さら変えようがないというのは今回改めて認識しました。図書館でビビビッときたらどういう説明が分かったか教えてください。
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